第十一話 「お手柄の代償」 2026/07/23 人事担当の山本は帰りがけ、少し迷ってから、行きつけの飲み屋の暖簾をくぐった。「らっしゃいっ!」威勢のいい大将の声!「大将、また来ちゃったよ。」「おお、山ちゃん、お疲れさん。何言ってるの。毎…
インターミッション 「ある町工場のショートストーリー」を書きながら思うこと 2026/07/22 今回は、ショートストーリーを書きながらいろいろ思ったことを、途中経過としてブログに載せてみたい。 正直、なにができるかも分からず、正解がなにかも分からずこのブログは進めている、ということをお…
第十話 「工場の社食から」 2026/07/21 「この会社で、一番長くいる人って誰なんですか?」ある昼休み、加納瞬は、社食で隣りにいた工場長に話しかけた。「そんなこと聞いてどうする?」工場長は素っ気ない。食べながら話すのが嫌いなのだ。「…
第九話 「分かれ道」(後編) 2026/07/17 更衣室で着替えていると、同期の佐々木が入ってきた。「お疲れ~」「・・・・・・お疲れ」「おっ、ほんとにお疲れじゃん、圭介。どうした?女か?」「はぁ?」「じょーだん、ゲームだろ?どーせ」「ああ、まあ…
第九話 「分かれ道」(前編) 2026/07/17 「きびしい」目覚まし時計の音を遠くに聞きながら、圭介は呟いた。しばらく前から鳴っていたような気がしている。昨夜、遅くまでネットゲームをしていたせいで、起きるのが辛い。(我が社も早くフレック…
第八話 「ビコーズ」 2026/07/17 世界が回るから、僕はうっとりしてしまう世界が回るのだから風が強いから、僕の心まで吹き飛ばすこんなにも風が強いから愛は古く、愛は新しい愛はすべてで、愛は君さ空が青いから、僕は泣いてしまう空が…
第七話 「工場裏の満開の桜の下で」 2026/07/16 第七話「工場裏の満開の桜の下で」昼休みになると、工場の裏にある古いベンチへ行く。高橋真司は、幼い頃から周りとコミニケションを取るのが苦手である。話せたら良いのに、といつだって思うのだけど、…
第六話 「小さな火花」 2026/07/15 「今日はもう、終わりだぞ。」後ろから工場長に言われた。「はい。」返事をしながら、今、溶接中だから、と心で呟いている。(もう時間か)もう少しやっていきたいが、最近は暇なせいかあまり残業をさせ…
第五話 「小さな古い椅子」 2026/07/14 「・・・・・・どうした?何か用か?ジロジロ見られるのは好かん。」自分でも露骨に嫌な表情になるのが分かった。「見ての通り、ワシは、椅子じゃ。この工場に来てから、四十年は経つ。座り心地は、よくないぞ…
第四話 「まだ帰らないんですか?」 2026/07/13 「お先に失礼します。」「お先―」チャイムと共に、解放された先輩たちの声が、工場に少しずつ響き始める。午後五時三十分。僕は入社してまだ三週間の新入社員だ。残業しない機械が、数台止まるだけで、工…